岡山 聖虚
Okayama Seikyo
岡山聖虚 の主な作品は現在バチカン美術館に保管されている「日本二十六聖人画」です。
2025年4月からの大阪万博に向けて約94年ぶりに二十六聖人画の内の十数枚が日本に帰国する予定です!私たち遺族にとっても夢のようです。
2019年11月、長崎市の日本二十六聖人記念館にて二十六聖人画のレプリカを展示、フランシスコ教皇様もこの絵をご覧になってくださいました。
聖虚は無念の死を遂げた方々の生きた証を残そうと、キリスト教の絵だけではなく、神武天皇や肉弾三勇士の絵も描き、日本国内だけでなく、海外へもたくさんの絵を寄贈してまいりました。
聖虚の絵が皆様の心の癒しとなり、世界平和につながることを願っています。
遺族が作成致しましたこのホームページで、岡山聖虚のことを一人でも多くの方に知っていただき、作品をご覧になっていただければ幸いです。
岡山聖虚 (おかやま せいきょ)
プロフィール
1895年~1977年広島生まれ 。
霊名:アシジのフランシスコ
竹内栖鳳に師事し、キリスト教信仰を題材にした聖画のほか仏画や人物画を描いている。
中でも、秀吉の禁教令によって1597年に長崎で殉教した日本26聖人の一人ひとりの肖像を描いた「日本二十六聖人画」は代表作である。15年がかりで作成し、1930年に発表した。この作品は、ローマ教皇庁の目にもとまり、翌年1931年、当時の教皇ピオ11世に献上された。
生涯100点以上の作品を残しているが、名声、名誉といったものとは無縁で、作品に対する執着心が少なく、作品記録が残っていない。
現在確認されているのは、「日本二十六聖人画」(バチカン博物館所蔵)のほか、「神武天皇」(橿原神宮所蔵)肉弾三勇士(靖国神社 遊就館所蔵)「パウロ三木」(箕面教会所蔵)などである。
履歴
明治28(1895)10月25日 広島市松川町に生まれる。
本名:岡山 釗三(おかやま しょうぞう)
*大正2(1913) 17歳
京都 吉田の美術学校に入る。親友である山地鬼子雄(キリスト教信者)の影響を受ける。
- 「出島の追放」「花を持てる倭娘」(京都芸大芸術資料館蔵)
*大正8(1919)23歳
京都市芸術工芸学校(現 京都市立芸大絵画科)卒業
「異端者」卒業作品の二曲屏風は優秀作品に選ばれる。
卒業後は宗教画家として「聖虚」を名乗る。
*大正11年(1922)26歳
富子と結婚。大分県中津高等女学校教諭
大正13年(1924)28歳
長男 秋人、次男 牧人 生まれる。
*昭和4年(1929)34歳
京都河原町教会に通い、信仰の道に入る。
奈良県吉野高等女学校教授を嘱託
*昭和5年(1930)35歳
第5代主任 ジュッツ神父より妻と子供二人と共に洗礼を
受ける。 洗礼名:アシジのフランシスコ
「日本二十六聖人画」26点完成。
同年 1月 東京銀座資生堂での特別展覧会に出品
… ホイヴェルス神父(カトリック美術協会顧問)鳥居
龍蔵、黒澤武之輔、長谷川路可ら東京 での要人の鑑賞を
得る。
同年 2月 竹内栖鳳よりローマ教皇使節ジャルディーニ宛 に推薦状が送られる。
のちに、バチカン市国に渡り、ジャルディーニ大司教、
田口芳五郎神父(のち枢機卿)よりピオ11世に説明。
特に第9架 聖ルドビコ茨木に涙される。
*昭和6年(1931)3月 35歳
日本二十六聖人画像をイタリア・ローマヴァチカン宮殿に
奉献。教皇メダイを拝受
*昭和7年(1932)4月
小林聖心女子学院に奉職
*昭和8年(1933)4月 37歳
肉弾三勇士画像を東京九段遊就館に奉献
*昭和10年(1935) 39歳
2月 神武天皇御尊像を橿原神宮に奉献
9月 天照大御神尊像を伊勢神宮に奉献
*昭和13年(1938)42歳
兵庫県六甲中学校教授を嘱託
*昭和16年(1941) 45歳
京都府乙訓郡向日町西山高等女学校教授
*昭和27年(1952)56歳
京都ノートルダム女学院奉職
昭和36年(1961)3月65歳 同校退職
*昭和43年(1968)73歳 病気にて倒れる。
*昭和52年(1977)81歳 6月3日 帰天
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〇 昭和56年 (1981)
教皇ヨハネパウロ2世訪日によりバチカンの日本26聖人画がテレビ番組で紹介される。
〇 昭和59年(1984)
「アシジのフランチェスコ」フランシスコの家に寄贈
〇 平成10年(1998)~11年(1999)
バチカンの日本26聖人画修復プロジェクトにより9点修復
〇 平成20年(2008)3~5月
東京 府中市美術館特別展にて「異端者」が展示される。
〇 平成31年(2019)1月
長崎の浦上キリシタン資料館にて「聖母子画」「日本26聖人画のレプリカ」「パウロ三木」(箕面教会所蔵)を展示。
同年11月
フランシスコ教皇様が長崎、広島、東京をご訪問される。
長崎では、日本二十六聖人記念館にて岡山聖虚「日本26聖人画」のレプリカをご覧になってくださる。
〇 令和3年(2021)
浦上キリシタン資料館 の館長様から、聖虚の研究をし卒業論文を書かれた酒井香織さん(イタリア在住)を遺族にご紹介いただく。
巡礼旅行パラダイスのオンライン講座(2021年8月~2022年5月 全10回)の中で、酒井さんが「2015年 イタリア・ウルバニアーナ大学で細川ガラシャの絵を発見されたこと」や「聖虚の作品について」語ってくださる。
巡礼ツアーパラダイス https://junrei.co/
* 聖虚の作品紹介 *
1)日本二十六聖人図
(バチカン伝道博物館 所蔵)
1931年ローマ教皇ピオ11世に献上された。
26点の内9点はバチカン現地で修復完成している。
2)聖パウロ三木(カトリック箕面教会所蔵)
カトリック箕面教会 所蔵
聖堂の横の部屋に飾ってあり、いつでもご覧になって
いただくことができます。
4)花を持てる倭娘 (京都市立芸術大学所蔵)
軸(1幅)
H 110 W 56
京都市立芸術大学 芸術資料館所蔵
大正2年(1913)17歳の時の作品
5)異端者(京都市立芸術大学所蔵)
屏風(2曲1双)
H 159.0 W 169.5
京都市立芸術大学 芸術資料館所蔵
大正8年(1919)23歳の時の作品
6)ビリオン神父 肖像画
縦 82cm x 横 69cm
7)神武天皇 (橿原神宮所蔵)
昭和10年(1935)2月11日建国記念日に奉納
縦 約3m x 横 2m
8)聖母子画
( 長崎 日本二十六聖人記念館所蔵)
長崎で発見された聖母子画
長崎 日本二十六聖人記念館 所蔵
9)五人の殉教者(日本致命聖人)
(小林聖心女子学院の講堂に飾ってあったがその後、行方不明)
縦:約2mの絵
左から・・
聖レオニア、聖マルタ、 パウロ三木、 ルドヴィコ茨木、聖マグダレナ
10)聖母マリア
11)キリストの絵
行方不明。沖縄にあるかも??
12)聖ヨハネ
13)聖母マリア
14)聖ペトロ・バウチスタ日本上陸
(長崎・浦上キリシタン資料館所蔵)
長崎・浦上キリシタン資料館所蔵
15)細川ガラシャ
17)大石内蔵助
京都山科の大石神社に寄贈したが行方不明
18)肉弾三勇士 (靖国神社遊就館所蔵)
・昭和8年(1933)遊就館に奉納(遺族撮影)
*現在展示はしていない為ご覧いただくことは
できません。
奉納された際は縦9尺、横6尺
・平成15年に修復し、現在は、
全長 273㎝(軸の長さ含む) 全幅 160㎝(軸の幅含む)
画面竪 220㎝、画面幅 141㎝(実際の絵のサイズ)
19)キリストの絵(小林聖心女学院所蔵)
2023年夏、小林聖心女学院の地下倉庫にて発見。
現在、京都の宇佐美修德堂にて修復中。
20)細川ガラシャ
( イタリア・ウルバニアーナ大学所蔵)
2015年にイタリア在住の酒井氏が発見
撮影:酒井 香織氏
パラダイスの講座にて紹介
ウルバニアーナ大学・・・見学不可
<所蔵先などのリンク>
- 日本二十六聖人記念館 http://www.26martyrs.com/
- 橿原神宮 https://kashiharajingu.or.jp/
- 靖国神社遊就館 https://www.yasukuni.or.jp/yusyukan/
- 京都芸術大学 芸術資料館 http://libmuse.kcua.ac.jp/muse/
- 浦上キリシタン資料館 https://oratio.jp/p_resource/urakami-museum
- カトリック箕面教会 https://catholic-minoo.jimdofree.com/
- イタリア・ウルバニアーナ大学https://paperzz.com/doc/6233844/
- 巡礼パラダイス https://junrei.co/about/
2019年11月、ローマ教皇様、38年ぶりの来日。
長崎の日本二十六聖人記念館にて
岡山聖虚 日本二十六聖人画レプリカをご覧になってくださいました。
花を持てる倭娘
(京都市芸術大学
芸術資料館所蔵 遺族撮影)
異端者(京都市芸術大学
芸術資料館 所蔵)
屏風(2曲1双)
神武天皇(橿原神宮所蔵)
パウロ三木
(箕面教会 所蔵)
ピオ11世から頂いた感謝状
ピオ11世から頂いたメダル
肉弾三勇士 (靖国神社所蔵)
日本致命聖人
この大きな絵は行方不明。
どこにあるか探しています!
小林聖心女子学院の聖堂
(左側の額「日本致命聖人」)
🌸 聖虚と富子 🌸
読売新聞 長崎(2019.2.26)
読売新聞 西部本社版
(福岡地域)夕刊 2020.1.24
読売新聞 英語版 2019.10.4
修復
約100年経ち、日本とは異なるバチカンの気候、掛け軸のまま保管されているなどの理由で、絵の剥離、しみ、カビなどが見られ、このままでは劣化が進み、どんどんボロボロになってしまいます。これから100年後もたくさんの方にご覧になっていただけるよう絵を守るためには、今修復が必要なのです。
修復前(右にしわが見られる)
修復後(しわが薄れている)